フルミストの概要

インフルエンザ生ワクチン(フルミスト)は以前から欧米では接種されていましたが、日本では承認はされず、これまで個人輸入という形で小規模に接種が行われていました。今年からは第一三共が販売元となり厚労省の認可を受けて出荷されることになります。当院でも2歳~7歳11か月までの方に接種します。
写真

フルミスト(インフルエンザ生ワクチン)の不活化インフルエンザワクチンと比較した利点
1)注射ではなく鼻に噴霧するため痛くない。
2)小学生以下の子どもに対する予防効果が大きい。2~7才で特に効果が高く、発症予防効果約80%というデータもあります。(2~7才の不活化ワクチンの有効性は40~60%といわれています。)特に症状の重くなるA香港型に有効です。B型でも不活化ワクチンより効果があります。
3)13歳未満の場合でも、1回接種でよい
4)値段は13歳未満の方が不活化ワクチン2回接種した場合より、やや高い程度の負担ですみます。
5)有効期間が長い。6か月以上1年近くまで有効だと言われています。不活化インフルエンザワクチンの効果が4-5ヵ月ぐらいなので接種後5ヵ月以上だと、有効です。
6))インフルエンザウィルスのある程度の変異には対応でき、型が変わってもある程度対応できる。
7)任意ではあるが厚労省認可のワクチンであり不活化ワクチンと同じく、副作用救済制度の対象ワクチンである。
欠点
1)鼻炎があると、効果が落ちる。接種時に鼻水が多いと中止する場合があります。
2)生ワクチンなので、インフルエンザの軽い症状が出る。鼻水,咳、頭痛が10%程度出ることがある。熱は3%くらいでしかも軽度です。
3))今までにインフルエンザにかかったことがなく、インフルエンザワクチンを接種したことのない児では効果が落ちる。
4)接種できない人がいる。(接種不適当の基準は以下に)
5)同居者に免疫不全の方がいる場合注意が必要。

接種不適当者の基準
1)2歳未満
2)気管支喘息患者で1年以内に喘息発作があり喘息治療を続けている方。
3)免疫不全患者および免疫抑制剤治療を受けている方、家族に免疫不全の方、特に癌治療中の方がいる場合お断りする場合があります。
4)心疾患、肺疾患、肝疾患、糖尿病、神経系疾患などの慢性疾患を持つ場合
5)重度の食物アレルギーの方
6)今風邪をひいていたり、鼻炎のひどい人
ーー診察、または病歴で不活化ワクチンをお勧めする場合もあります。
接種料 8000円(税込み)1回のみ