学会研究会コーナー

学会研究会報告
☆小児科学会2020.08.21-23 神戸オンライン
コロナシンポジウム
1、武漢小児病院から
171例中発熱は41%、から咳、下痢、27例は無症状、アレルギーはリスクにならない
2,コロナと川崎病様疾患 サンディエゴ
MIS-C 5歳以上が多い、黒人31%ヒスパニック33%アジア人3% WBC↓plt↓Na↓ IVIGが有効
3、小学校では子供から子供に感染は確認された例はない、中学ではある。子供はほとんどが家庭内感染。咳くしゃみなしに感染が起こっている。手洗いはそれほど重要ではない。子供のクラスター確率が低い、コミュニティーへのtransmissionも少ない。子供のウイルス量は?症状のある児では多いかもしれない。しかし一般の無症状の児では少ない。Ct値低いとウイルス量が多い。
4、コロナの心理的影響<br>
もともと問題のある児に影響が大きい。親の心理的影響が子供に影響する
5、開業医から
ゼロリスク症候群に陥っていないか。子供にゼロリスクを求めると、弊害が大きい。

☆日本感染症学会2020.08.19-21 東京
新型コロナについてーーまず会長から今新型コロナ流行第2波の真っただ中にあるという報告がなされました。コロナ流行はまだまだ続くという考えです。<br>
ワクチンについて講演があり、コロナワクチンはSARS,MARSの経験からも出来たとしてもADEという副作用が出やすいものになる可能性があるとのことでした。さらに一般に呼吸器系ウイルスのワクチンは、効果が長続きしないとのことでした。インフルエンザワクチンがいい例でだいたい5か月ぐらいしか効果は続きません。インフルエンザは出現する季節がある程度決まっているからいいのですが、新型コロナは流行がずっと続く可能性があり、するとワクチンが効果があったとしても効果が切れてきたときにかかってしまう恐れがあります。今とにかくワクチンワクチンと世論や政治家がせきたてる傾向があり、これは危険な兆候と思われます。<br>

新型コロナのシンポジウムでは
1、総論;3密+大声がリスクが高いこと、それ以外はそれほどリスクが高くないこと、3-4月の夜の街感染というのは元は寮生活(ホスト、ホステスか?)で感染が広がりそれが夜の街に持ち込まれたということだそうです。<br>
2、ウイルス学的考察;コロナウイルスというのは、ネコ豚トリ牛ラクダその他多種類の動物が保有しています。他の呼吸器ウイルスと同様、感染しても終生免疫は得られないと考えられます。
3、疫学;日本は3-4月の死亡率は3.9%だったか8月は0.4%と大きく下がっているそうです。無症状の人が感染させる確率は不明だが、家庭内以外ではあまり考えなくて良いとのことです。<br>
4、診断学的視点から;東京でのPCRは4月10日は検査件数が300件で陽性率30%、8月16日は5000件で陽性率5.7%でした。唾液には高濃度にウイルスが存在します。ですから会話で感染が成立します。コロナIgG抗体の推移は発症後7-9日で50%が陽性になり陽性になる方が重症です。Ct値で感染性を評価できるかもしれない。

5、治療について;血栓を作りやすいのは血管内皮細胞に炎症が起こるから、これが臓器障害につながる。尿中βミクログロブリン、尿中L-FABPが上がると重症化する。<br>
6、感染対策;潜伏期間5日、発症2日前から感染力ある。無症状陽性者のうち最後まで無症状は66%(テグ市)~88%(ダイアモンドプリンセス号)<br>
無症状者はウイルス量少ない。慶応では3月31日に研修医複数が発熱ー勤務停止した。
PCR陽性者の隔離解除ーー無症状で10 日経てばよい。PCR再検査は不要。

☆新型コロナウイルスについて
小児科学会ホームページ2020.02.12
1月30日の段階で9692人の感染者のうち小児は28人(0.28%)ですので極めて少ないと言えます。また28例のうち重症例はないとのことです。またJMAという雑誌では9例の1才未満の児の症例報告が載っていますが全例軽症とのことです。

☆食物アレルギー研究会2020.02.09
重症牛乳アレルギーの児に対する舌下免疫療法ーー牛乳0.3mlで症状が出ていた13歳の児で舌下免疫療法により30mlまで飲めるようになった。<br>
牛乳だと嫌がることがある場合菓子パンでもいいと。<br>
エビアレルギーの児がダニ舌下免疫療法で症状が改善したーーエビとダニには共通抗原がある<br>
卵によるFPIES(消化管アレルギー)-非IgE依存性で嘔吐下痢など消化管症状を呈する、皮膚呼吸器症状はない。卵黄で多い卵白は少ない
プリックテストでは遅く出てくる
桃アレルギーのある16歳女子が唐辛子でもアレルギーをみとめた、桃と唐辛子で共通抗原がある。唐辛子はナス科の植物

☆外来小児科学会2019.08.31-09.01
インフルエンザ検査と治療ーーインフルエンザAはヒト鳥豚馬などに罹患するが、インフルBは宿主はヒトだけ。だからインフルAは変異し新型もできるがBはあまり変異しない。連続変異がdriftで不連続変異がshift。2018/2019シーズンはインフルBはほとんど出なかった。次シーズンはインフルBが多いかもしれない。ゾフルーザは血中濃度が低い状態が長い。耐性が出やすい。<br>
中毒:フッ化水素ー毒性が強い、歯科医がフッ素と間違えて使用した例がある。ベンゾジアゼピンは依存症になりやすい。不眠症に使われる.。
犬咬傷ーダックスフントは狂暴、ヤマカガシーかまれると頭痛が強い

食物アレルギー<br>
喘息が減っているーー皮膚管理が良くなっているから、
原因物質では果物カシューナッツクルミが増えている、FDEIAも小麦エビだけでなく果物が増えた
血管浮腫にはヒスタミンあまり効かない

☆日本アレルギー学会2019.06.16東京<br>
アレルギー予防を目的とした離乳食の与え方<br>
離乳食の与え方2019年版、離乳初期中期後期の分類が復活した。卵黄は初期6か月から開始になっている。<br>
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☆臨床ウイルス学会 2019.05.26名古屋<br>
日本脳炎;2016年対馬で日本脳炎の集積例があった。対馬は豚はいないがイノシシがいる。4人発症したが全員60歳以上。日本脳炎ウイルスの分離は難しい。抗体で調べる。PCRも難しい。この4例はIgM抗体の上昇があった。質問 抗体検査の方法はーーHI抗体で調べる。<br>
ウイルス感染症 山形<br>
2001-2017のCA6の調査、2009年にクラスター2が入り込んだ。手足口病で大腿臀部病変を有するタイプが増えた。爪の脱落もみとめた。海外でも報告あり。<br>
サーベイランスにおける麻疹風疹 多屋<br>
2019年は海外で麻疹が流行ーベトナム、フィリピンなど。風疹は今年CRSが2例あり。発生数は今年日本が世界第4位。ただし世界のすべての国がサーベイランスを行っているわけではない。<br>
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☆日本小児科学会2019.04.22金沢
無菌性髄膜炎の原因ウイルスはエンテロ30例ムンプス11例、乳児例は全例エンテロだったが、幼児以上ではエンテロとムンプスが半々だった。ムンプスの場合発症は耳下腺主張後平均6日。生後90日未満の発熱151例中髄膜炎が19例あったが13例がエンテロで2例がパレコだった。<br>
生後12か月前後の食物負荷試験は卵白1g→2g→5gで行う。プリックテスト10mm以上は要注意。1g可なら食パン可、5g可なら卵つなぎ食品可。牛乳負荷試験は2mlから開始、総負荷量8mlまで。陽性症状は摂取後12-25分で出る。50ml飲めれば制限解除とする。

☆食物アレルギー研究会2019.02.17東京
リンゴPFAS リンゴの種類によって主要抗原Mal d1の量に差がある。紅玉が少ない。牛乳アレルギーの児の骨密度は低下している。カシューナッツアレルギーは欧米では死亡が多い。ピスタチオと交差反応あり。血液検査陰性でもプリックテストで出る。ヤマイモアレルギー、ヤマイモには大和イモ、長芋、自然薯、ダイジョなどがある。長芋OKでも大和イモでアナフィラキシーある。<br>
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☆臨床微生物学会2019.02.03東京
「ワクチンの誤解と真実」
伊達政宗は天然痘で失明。徳川綱吉は63才で麻疹で死亡。1990-1995ロシアでは社会主義崩壊で予防接種率が低下しジフテリアが流行12万人感染し4000人が死亡。
2012以後日本では乳児のワクチンが急増した。そのころからSIDSが減少SIDSの一部は感染症だったのではないか。<br>
「パレコウイルス」
エコーウイルスから分類分けされたウイルスで新興感染症。4か月未満の児で重症化する、感染源は同胞か周囲の成人。無症状のキャリアがいるらしい。成人では流行性筋痛症を起こす。山形で2008年流行あり。乳児で重症化するのは中和抗体が低い」から。<br>
「インフルエンザ」<br>
インフル脳症は昨シーズンは168人。インフルの2峰性発熱はウイルス残存が多い。ゾフルーザ投与するとH3に対する耐性ができやすい。ゾフルーザ一辺倒は好ましくない。ゾフルーザは食前に服用したほうがいい。血中濃度が高くなる。<br>
「日本の予防接種」<br>
麻疹は予防接種率92-94%が必要。先日ワクチンに反対する宗教団体で麻疹が流行した。セミナー参加者の49名中48名が感染(天罰と言っていいのかーー)。ワクチンを打たないでいるとこういうことが起こる。<br>
水痘は小児へのワクチンが定期化したあと、流行は小規模になっている。ただしその影響で帯状疱疹が増えている。米国では不活化水痘帯状疱疹ワクチンが認可された。これは免疫不全の人に使えるので、高齢のガンその他免疫の低下した人に使えるので便利。ただしアジュバンドが入っているので痛いし熱が出るとか。<br>
おたふくかぜは0.1%に難聴を合併する。<br>
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☆医師会獣医師会合同セミナー2018.10.6横浜<br>
鳥インフルエンザ<br>
これまで多かったH5NXは減少し、H7N9が増えている。H7のほうが人間に感染しやすい。タミフル、ゾフルーザとも鳥インフルには有効。鳥インフルエンザワクチンにはアジュバンドが必要。アジュバンドなしでは効果がない。昨年中国政府は鶏に対し鳥インフルエンザワクチン接種を実施。その結果ヒトへの感染は激減。しかしその長期的効果は注意が必要。<br>
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☆中部日本小児科学会2018.08.19(名古屋)<br>
「不明熱の見方」<br>
1)感染症 乳児の不明熱ーー尿路系が多い、ネコひっかき病は犬でも起こる、バルトネラ抗体が上昇する、病変が多発するあちこちに起こる、Q熱もペットから<br>
2)感染症以外 <br>
 リウマチ性疾患 JIA←→SLE 抗核抗体はHep2細胞を使う、抗核抗体陽性だけでは病気とは言えない。<br>
            リウマチ性疾患では血沈が重要、 血沈は赤血球周囲に陽性に荷電したタンパクが増えていることを確認する方法、周囲に陽性に荷電したグロブリンが増えると沈降が早くなる。CRP(ー)でも血沈が亢進する。皮膚筋炎ーー早期に肺病変が進行し死亡することがある。<br>
 血管炎 大血管ー高安病、 中血管ー川崎病、PN 小血管ーANCA,IgA血管炎 <br>
 炎症性腸疾患 クローン病ーー小腸病変だけだと血便がでないことがある<br>
 悪性疾患ーー半数がALL,悪性リンパ腫ーーすべてのリンパ節が悪性化するわけではない。正常のリンパ節もある。<br>
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症例<br>
 牛乳アレルギーと、乳糖不耐症は合併することがある、治りが悪ければ検査を<br>
「ランチョン」低フォスファターゼ症 アルカリフォスファターゼが低い、歯が早期に抜ける、治療法がある<br>
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「食物アレルギーシンポジウム」2018.02.18横浜<br>
負荷試験の開始基準について紹介がありました。興味深いのは卵アレルギーで長期に卵を制限されていた児は負荷試験で安全が確認されても卵を食べたがらないし、さらには黄色い食品にも拒否感を示し、牛乳アレルギーでは制限を解除された児も白い飲み物に拒否感を示すということです。恐怖感が脳にインプットされると自然に抑制が働くということだと思いますが、注意しなければいけないことだと感じました。不必要な長期の制限が人生そのものに影響を及ぼすということですから。そして牛乳の場合いい方法は豆乳を与えておくことだそうです。カルシウムの補充にもなりますし、牛乳制限が解除された後スムースに牛乳を再開できるそうです。<