最近読んだ本2021.01-2024.06
評価 寸評
「スローターハウス5」カート・ヴォネガット ◎ 捕虜体験がメタファーされている
「鏡子の家」三島由紀夫 ◎ 4人の男性は三島由紀夫の分身か
「葉隠入門」三島由紀夫 〇
「歌に私は泣くだらう」永田和宏 ◎がん患者の家族の心情がよくわかった
「クララとお日さま」カズオ・イシグロ △ 「私を離さないで」の焼き直し
「コレラの時代の愛」ガルシア・マルケス △ 何が言いたいのかわからん。最初の謎めいた話は何 だったの
「荘子物語」 ◎ 荘子はいい、無為自然がいい
「知の体力」永田和宏 〇
「パルムの僧院」スタンダール ◎ 古典の名作にはずれはない,やや意外な結末だが
「金閣寺」三島由紀夫 〇悪くはないが最高傑作とは言いすぎでは
「影をなくした男」シャミッソー 〇あちこちに引用されていて、読んでおくべき本
「絹と明察」三島由紀夫 〇労働運動の描き方にやや無理が
「幻想博物館」中井英夫 〇耽美的レトロ
「死霊の恋」ゴーチェ 〇吸血鬼小説の嚆矢らしい
「禁色」三島由紀夫 〇本格ホモ小説!評論家がスルーする理由が分かった
2022.01-12
「若き日の変転」カロッサ ◎医師であり作家である著者の少年時代の回想。みずみずしい。
「楡家の人々」北杜夫 ◎久しぶりにいい作品に出会った。斎藤茂吉一族の歴史 。小説なので一部事実を改変しているが。斎藤茂吉の医学者としての側面
を初めて知った。精神医学の歴史も興味深い。
「詩歌の待ち伏せ」北村薫 〇詩歌を下敷きにしたエッセイ。「長いお別れ」のきめ台詞 の出どころを知った。
「悪童日記」アゴタクリストフ 〇今のウクライナを連想させるような第2次大戦末期のハ ンガリーの子供の物語
「夜と霧の隅で」北杜夫 〇
「白い人」遠藤周作
「神州纐纈城」国枝史郎 〇 幻想小説の秀作ただし未完
「幼年期の終わり」アーサー・C・クラーク ◎ SFの傑作
「備前名弓伝」山本周五郎 〇予定調和の極み。お約束の結果と言ってもいいかも。
「魔術師」 江戸川乱歩 〇荒唐無稽といえばそれまでだが、ひねりにひねった結末は〇
「破船」吉村昭 〇ぞっとする話だが、こういうことも昔はあったのか
「最後の事件」コナンドイル 〇ホームズの最後はこんな結末だったとは知らなかった。
[夢の丘」アーサーマッケン △
「ロンググッドバイ」レイモンドチャンドラー 〇推理小説の傑作1950年代のカリフォルニアの乾いた殺伐 とした空気が伝わってくる。ストーリーも2転3転で最後の どんでん返しが絶妙
「プレイバック」レイモンドチャンドラー 〇悪くはないが、「ロンググッドバイ」よりは劣る。「タフでなけ れば生きていけない、優しくなければ生きる資格がない」の きめ台詞がウリの作品。
「平家物語」 〇滅びの美学、潔い人、みっともない人それぞれ
「収容所から来た遺書」辺見じゅん 〇ソ連から遺族へ遺書が届いた経緯が衝撃
「銀の匙」中勘助 〇少年の目から見た世界
2023.01-
「さらば愛しき人よ」レイモンドチャンドラー 〇悪くはないがやや説明不足
「人類の起源」篠田謙一 〇PCRを駆使して到達した人類進化の最新知識今まで単純に考え られていた人類の歩みが実に複雑出ることが分かった。我々は どこから来たのかがかなり詳細に分かってきた
「万延元年のフットボール」大江健三郎 〇やや難解、幕末の一揆から話がつながるらしい
「キルプの軍団」大江健三郎 〇読みやすいが心温まる小説ではない
「騎士団長殺し」村上春樹 ◎不完全なところはあるが、独特の世界は読んでいて気持ちがいい
「カンガルーノート」安部公房 ◎極めてシュールな、死のイメージが濃厚な小説。著者がす でに病魔にむしばまれその心象風景を小説にしたようだ。
「大いなる遺産」ディケンス 〇大衆小説の傑作。予定調和を裏切る展開。
「スピノザ}国分功一郎 ○難しいが、論理の進め方が数学的なのでほかの哲学より 多少理解しやすいか。
「虐殺器官」伊藤計画 ○△読みにくい。
「大いなる眠り」チャンドラー ○カリフォルニアの大都市の殺伐とした空気が伝わってくる。
「ナボコフの1ダース」ナボコフ ◎言葉の魔術師、特に「忘れられた詩人」は傑作
「カーテンコール」筒井康隆 ○タイトル通り最後の作品というつもりらしい。短編集で過去に 使ったネタの使いまわしみたいのもある。「コロナ追分」は○
「血の収穫」ハメット △ハードボイルドの嚆矢らしいが文学性はない。ただ殺伐。
2024.1-
「ある男」平野啓一郎 ○△途中まではいいが、結末がやや不十分。やや無理がある。
「パプリカ」筒井康隆 ◎筒井康隆の本領発揮。
「飛ぶ男」安部公房 未完なのでよくわからない。
「雪の花」吉村昭 〇種痘に尽力した福井藩笠原良策の半生
「旅のラゴス」筒井康隆 〇悪くはないがイマイチ
「白夜行」東野圭吾 ×最低、ありえない設定、粗雑
「死神の精度」伊坂幸太郎 〇面白かったがイマイチ浅い
「光の帝国」恩田陸 △最後が拍子抜け
「ウンディーネ」フーケ △あらすじが聞いていた話とちがう。ジロドウの「オンディーヌ」の もとになった本。
「大衆の反逆」オルテガ △誰を批判したかったのかは分かるが現代には当てはまらない
「逝きし世の面影」渡辺京二 〇外国人から見た江戸時代の印象。
「シベリヤ物語」長谷川四郎 〇シベリヤ抑留体験をもとにした小説。ほとんどは事実だろう。
「クヌルプ」ヘッセ 〇ヘッセの願望だろうか。学校を中退しその後放浪生活で過ごし たというのは一部ヘッセの人生と重なっている。
「クラライリイチ」ツルゲーネフ 〇
「密会」安部公房 〇かなりシュールな小説。馬人間が出てきたり、骨が溶けて形が なくなる少女やら、体から綿がどんどん出てくるその母親やら。
「私の読書歴」記憶に残っているものだけ。
小学生時代;「マテオファールコネ」こんなことで子どもが父親に殺されるのかとショックだった。「クオレ」道 徳教育的な話
「雨月物語」挿絵がリアルで怖かった。
中学時代;「論語物語」下村湖人「聖書物語」「コンチキ号航海記」「自然と人生」徳富蘆花
「シートンの動物記」シートン
高校時代;「人間失格」太宰治「赤と黒」スタンダール「女の一生」「芽むしり仔撃ち」大江健三郎
大学時代;「砂の女」安部公房「されどわれらが日々」柴田翔「鋼鉄はいかに鍛えられたか」オストロフスキー
25~35歳はほとんど何も読まなかった
36歳ころ村上春樹「中国行きのスローボート」を読みこんな従来の日本文学の文章と異なる文章を書く作家がいたのかと驚く
38歳ころ「ノルウェーの森」がベストセラーに
現在までの ベスト30
白鯨 メルビル
カラマーゾフの兄弟 ドストエフスキー 2回読んだ
悪霊 ドストエフスキー 2回読んだ
アンナカレーニナ トルストイ
魔の山 トーマス・マン
荒野の狼 ヘッセ 2回読んだ
ファウスト ゲーテ
城・審判 カフカ
プラハの墓地 ウンベルト エーコ
夏目漱石全作品 あえて挙げるなら「それから」「草枕」「こころ」
村上春樹作品 「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」「色彩を持たない多崎つくる」「海辺のカ フカ」「1Q84」
大江健三郎作品 「新しい人よ目覚めよ」「レインツリーを聴く女たち」
石原吉郎「望郷と海」
高橋和己 「憂鬱なる党派」「日本の悪霊」
森鴎外作品 「渋江抽斎」
源氏物語 紫式部
ソラリス スタスタフ レム
細雪 谷崎潤一郎
虚無への供物 中井英夫
黒死館殺人事件 小栗虫太郎
少女地獄 夢乃 久作
百年の孤独 ガルシアマルケス
前日島 ウンベルトエーコ
ロリータ ナボコフ
ベストではないが印象に残った本
「石けり遊び」コルタサール 怒涛のような言葉の奔流
「蜘蛛女のキス」
「ヌーメロゼロ」エーコ
「木登り男爵」カルビーノ
「ヤシ酒飲み」チェッツオーラ
「テロリスト群像」サビンコフ
★読んでがっかり編
評判が良いので読んでみたら何ジャラホイだった小説
紅はこべ かなり無理がある
二都物語ディケンス こんな生き方に意味があるのか
コレラの時代の愛 ガルシアマルケス なんだかよくわからないし最初の謎めいた話は何だったの
塩狩峠 三浦綾子 キリスト教はこんな生き方を賞賛するのかと幻滅した本